ブランドリフトとは?意味・指標・調査方法から考えるブランディング広告の本質
- 株式会社ビーステップ

- 2025年12月23日
- 読了時間: 28分
更新日:5 日前

![]() この記事の著者 | 山口巧己 地方×SNSマーケティングのスペシャリスト 大学在学中からSNSを独学し、父の車屋やインターンでのアウトドアブランドのSNS運用を行い、認知拡大・販売促進の向上、副次的に採用への貢献。この経験から紹介での依頼をいただき、大学4年生でフリーランスとして活動。 卒業後、WEBベンチャー企業で新規顧客開拓の営業へ従事する傍ら、フリーランス活動を継続。入社9ヶ月で退職し、独立。これまでの支援社数は50社を超える。 運用の"代行"ではなく、クライアントの経営戦略から逆算して結果へ繋げるためのSNSマーケティングが得意。 いい商品・サービス・会社を広めることが好きなSNSマーケオタク。 |
弊社では、これまで多くの企業様に対してSNS運用や広告運用の支援を行ってきました。
その中で繰り返し直面してきたのが、広告成果をCPA(獲得単価)やROAS(費用対効果)といった短期指標だけで判断せざるを得ない状況です。
「広告費をかけているが、成果が見えているのか分からない」
「ブランディング施策は本当に意味があるのか判断できない」
「短期的な数値が出ないため、認知施策を止めるべきか迷っている」
──こうした悩みを抱える企業は少なくありません。
実際、ブランディング広告や認知施策を実施しても、短期的な数値だけを根拠に評価され、施策の価値が正しく判断されないケースを多く見てきました。
しかし、その後の指名検索の増加や商談化率、CV率の改善を振り返ると、広告の影響が着実に蓄積されていた事例も数多く存在します。
こうした実務経験から重要だと感じているのが「ブランドリフト」という考え方です。
ブランドリフトは、広告によって認知・好意・検討意向といった“将来選ばれる状態”をどれだけ作れているかを測る指標です。
本記事では、ブランドリフトの意味や調査方法を整理しながら、BtoB・BtoC双方における活用価値、広告KPI設計への活かし方を解説します。
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ブランドリフトとは何か |

広告効果の評価指標としてCPA(獲得単価)やROAS(費用対効果)が重視されてきた一方で、それらでは測れない成果に注目が集まっています。その代表例が「ブランドリフト」です。
本章では、ブランドリフトの基本的な意味から、どのような指標を測定し、なぜ直接CVとは異なる考え方が必要なのかを整理します。
ブランドリフトには主に3つの理解ポイントがあります。
ブランドリフトの定義と意味
ブランドリフトで測定される指標
直接CV指標との違い
これらを正しく理解することで、ブランディング広告を評価する土台が整います。
ブランドリフトの定義と意味
ブランドリフトとは、広告接触によってユーザーのブランドに対する認知や態度がどの程度変化したかを測定する指標です。
なぜなら、広告の役割は必ずしも「今すぐ購入させること」だけではなく、将来の選択肢として想起される状態をつくることにもあるからです。
実際に、GoogleやYouTube広告では、広告接触者と非接触者を比較し、ブランド認知や好意度の変化をアンケート形式で測定する仕組みが提供されています。これにより、購買前段階での広告効果を定量的に把握できます。
このように、ブランドリフトとは「売上に至る前の意識変容」を可視化するための概念であり、広告の価値を中長期視点で捉えるために欠かせない指標だといえます。
ブランドリフトで測定される主な指標
ブランドリフトでは、購入やCVに至る前段階の心理変化を複数の指標で測定します。
なぜなら、ユーザーの意思決定は一瞬で完結するものではなく、段階的に形成されるからです。
一般的に測定される指標には、以下のようなものがあります。
ブランド認知:ブランドを知っているかどうか
広告想起:広告内容を覚えているか
好意度:ブランドに対して好意的な印象を持ったか
検討意向:将来的に利用・購入を検討したいか
例えば、YouTube広告のブランドリフト調査では、これらの指標を広告接触前後で比較することで、広告が態度変容に与えた影響を確認します。
つまり、ブランドリフト指標は、売上に直結しないからこそ見逃されがちな「選ばれる確率」を高めるための重要な判断材料となります。
ブランドリフトが「直接CV」と異なる理由
ブランドリフトは、直接CVを目的とした指標とは評価軸が異なります。なぜなら、ブランドリフトが担う役割は「刈り取り」ではなく、「土台づくり」にあるからです。
例えば、BtoB商材や高単価サービスでは、広告を見てすぐ問い合わせに至るケースは多くありません。しかし、認知や好意が蓄積されることで、後日の指名検索や商談化につながります。この過程はCPAやROASだけでは正しく評価できません。
短期的なCV数だけで広告の良し悪しを判断すると、本来必要な認知施策を過小評価してしまうリスクがあります。そのため、ブランドリフトは「今すぐの成果」ではなく、「成果が生まれる状態をつくれているか」を判断するための指標として位置づける必要があります。
ブランドリフトが注目される背景 |

ブランドリフトという指標が近年あらためて注目されているのには、明確な理由があります。
広告手法や市場環境の変化により、従来の評価軸だけでは広告成果を正しく判断できなくなってきているためです。
本章では、その背景を整理します。
注目すべきポイントは大きく3つあります。
広告費高騰とCPA悪化の構造
パフォーマンス広告の限界
購買・検討プロセスにおける認知の重要性
これらを理解することで、なぜブランドリフトが必要とされているのかが見えてきます。
広告費高騰とCPA悪化が起きている構造的な理由
ブランドリフトが重視される背景には、広告費高騰とCPA悪化という構造的な問題があります。
なぜなら、多くの企業が同じ獲得層を狙い続けた結果、広告オークションが過密化しているからです。
実際に、検索広告やSNS広告では、顕在層を狙う施策が集中し、入札単価が年々上昇しています。
その結果、広告費を増やしても成果が伸びにくくなり、CPAが悪化するケースが増えています。
この状況下では、獲得効率だけで広告を評価すると「打ち手がない」という判断に陥りがちです。
そのため、顕在化する前段階にアプローチできているかを測る指標として、ブランドリフトの重要性が高まっています。
パフォーマンス広告だけでは成果が頭打ちになる背景
パフォーマンス広告だけに依存すると、成果は必ず頭打ちになります。
なぜなら、パフォーマンス広告はすでに検討段階に入ったユーザーを対象とするため、母数が限られているからです。
例えば、指名検索や比較キーワードに出稿する施策は短期的には効率が良いものの、新たな需要を生み出すことはできません。その結果、同じユーザーを奪い合う構造が固定化されます。
このような状態では、広告効率の改善余地が少なくなり、成果の伸びが止まります。
だからこそ、将来の顧客候補を増やす役割を担うブランディング広告と、その効果を測るブランドリフトが注目されているのです。
購買・検討プロセスにおける「認知」の役割
購買や問い合わせの前段階にある「認知」は、意思決定に大きな影響を与えます。
なぜなら、人は知らない商品や企業を比較・検討の対象に含めないからです。
実際に、多くの調査で、検討フェーズに入った時点で候補に挙がるブランドは限られていることが示されています。この候補群に入れるかどうかは、過去の広告接触や情報接点によって左右されます。
ブランドリフトは、この「候補に入る状態」を作れているかを測るための指標です。
そのため、成果を出し続ける広告運用には、認知段階から評価できる視点が欠かせません。
ブランドリフト調査とは |

前章では、なぜブランドリフトという指標が注目されているのか、その背景を整理しました。
では、実際にブランドリフトはどのように測定されるのでしょうか。
本章では、ブランドリフト調査の基本的な考え方から具体的な調査方法、よく比較されるサーチリフトとの違いまでを解説します。理解すべきポイントは次の3つです。
ブランドリフト調査の基本的な考え方
主な調査方法の種類
サーチリフトとの違い
これらを押さえることで、調査結果を正しく読み取れるようになります。
ブランドリフト調査の基本的な考え方
ブランドリフト調査とは、広告接触によってユーザーの意識や態度がどのように変化したかを比較検証する調査手法です。
なぜなら、広告の影響は売上やCVの増減だけでは捉えきれず、心理的な変化として先に表れるからです。
実際の調査では、広告に接触したユーザーと接触していないユーザーを分け、それぞれに同じ設問を投げかけます。その回答差分を見ることで、広告がブランド認知や好意度に与えた影響を可視化します。
このように、ブランドリフト調査は「広告が意味のある接触だったか」を検証するための手段であり、ブランディング広告を感覚ではなく数値で評価するための基盤となります。
主なブランドリフト調査の方法
ブランドリフト調査には、大きく分けて複数の実施方法があります。なぜなら、広告の配信環境や目的によって、適した調査手法が異なるからです。
代表的な方法としては、以下が挙げられます。
調査会社に依頼してアンケートを実施する方法
GoogleやYouTube、Metaなど広告プラットフォームが提供する調査機能を活用する方法
例えば、YouTube広告のブランドリフト調査では、配信と同時にアンケートが自動で配信され、追加の調査設計を行わなくても結果を取得できます。
一方で、調査会社を利用する場合は、設問設計や対象条件を柔軟にカスタマイズできる点が特徴です。
調査方法ごとの特性を理解したうえで選択することが、意味のあるデータ取得につながります。
ブランドリフトとサーチリフトの違い
ブランドリフトとサーチリフトは、測定対象が異なる指標です。
なぜなら、ブランドリフトが「意識変容」を測るのに対し、サーチリフトは「行動変化」を測定する指標だからです。
サーチリフトでは、広告接触後にブランド名や関連キーワードの検索数がどれだけ増えたかを確認します。これは、広告が具体的な行動を促したかどうかを見る指標といえます。
一方で、検索行動に至らない段階の認知や好意の変化は、サーチリフトでは捉えられません。そのため、ブランドリフトとサーチリフトは優劣ではなく役割の違いとして捉え、目的に応じて使い分けることが重要です。
ブランドリフト調査でよく使われる調査項目・設問例 |

前章では、ブランドリフト調査の考え方や手法について整理しました。
しかし、実際に調査結果を正しく理解するためには、「どのような項目・設問で測定しているのか」を把握しておく必要があります。
本章では、ブランドリフト調査で一般的に用いられる調査項目と、設問設計における注意点を解説します。押さえておきたい観点は次の2つです。
ブランドリフト調査で測定される代表的な項目
設問設計時に注意すべきポイント
これらを理解することで、調査結果の解釈精度が高まります。
認知・想起・好意・検討意向を測る代表的な設問
ブランドリフト調査では、ユーザーの態度変容を段階ごとに測定する設問が用いられます。
なぜなら、購買行動に至るまでには複数の心理プロセスが存在するからです。
代表的な設問項目には、以下のようなものがあります。
ブランド認知:「このブランドを知っていますか」
広告想起:「最近見た広告として覚えていますか」
好意度:「このブランドに好意を持ちますか」
検討意向:「今後利用・購入を検討したいと思いますか」
例えば、YouTube広告のブランドリフト調査では、広告接触者と非接触者でこれらの回答率を比較し、広告による差分を算出します。
このように、設問は売上に直結しないものの、将来の成果につながる重要な変化を捉える役割を果たします。
設問設計で注意すべきポイント
ブランドリフト調査の精度は、設問設計によって大きく左右されます。
なぜなら、設問が誘導的であったり、分かりにくかったりすると、実態とは異なる結果が出てしまうからです。
特に注意すべきポイントとして、以下が挙げられます。
回答を誘導しない中立的な表現を用いること
誰が読んでも同じ解釈になる簡潔な文言にすること
調査目的と設問内容を一致させること
例えば、「良い印象を持ちましたか」といった主観的な言い回しは、回答に偏りを生む可能性があります。そのため、事前に設問意図を明確にし、必要最小限の質問に絞ることが重要です。
設問設計を丁寧に行うことで、ブランドリフト調査は実務に活かせる信頼性の高いデータになります。
ブランドリフト調査のメリットと限界 |

前章では、ブランドリフト調査で用いられる具体的な設問や調査項目を解説しました。
ただし、どの指標にも万能性はなく、ブランドリフト調査にも得意・不得意があります。
本章では、ブランドリフト調査のメリットと限界を整理し、どのような場面で活用すべきかを明確にします。理解しておきたい観点は次の3つです。
ブランドリフト調査の主なメリット
ブランドリフト調査が向いているケース
ブランドリフト調査が意味を持たないケース
これらを把握することで、調査結果を過信せず、適切に活用できるようになります。
数値化が難しい広告効果を可視化できる点
ブランドリフト調査の最大のメリットは、これまで感覚的に語られてきた広告効果を数値で示せる点です。なぜなら、認知や好意といった心理変化は、通常のアクセス解析やCV計測では捉えられないからです。
実際に、ブランディング広告を実施しても、短期的なCVに変化が出ないケースは少なくありません。
しかし、ブランドリフト調査を行うことで、認知度や検討意向が着実に向上しているかを確認できます。
このように、ブランドリフト調査は「成果が出ていない」のではなく「成果がどこに出ているのか」を示す役割を担い、広告施策の継続可否を判断する重要な材料となります。
ブランドリフト調査が向いているケース
ブランドリフト調査は、すべての広告施策に適しているわけではありません。
なぜなら、調査の価値は商材特性や購買プロセスによって大きく左右されるからです。
特に有効とされるのは、検討期間が長く、複数回の接触を前提とする商材です。
例えば、BtoBサービスや高単価商材では、広告接触直後にCVが発生しないことが一般的です。
そのため、認知や好意といった中間指標を把握できるブランドリフト調査は、広告評価と相性が良いといえます。
このようなケースでは、ブランドリフトを確認することで、広告が将来の成果に向けて機能しているかを判断できます。
ブランドリフト調査が意味を持たないケース
一方で、ブランドリフト調査が十分な意味を持たないケースも存在します。
なぜなら、短期的な成果が最優先される施策では、評価指標が合致しないからです。
例えば、期間限定のキャンペーンや即時購入を促す施策では、認知や好意の変化を測るよりも、CV数や売上を直接確認したほうが合理的です。また、配信量が極端に少ない場合は、サンプル不足により調査結果の信頼性が低下します。
そのため、ブランドリフト調査は「使えば必ず意味がある指標」ではなく、目的と条件が合致したときに初めて価値を発揮するものだと理解する必要があります。
ブランドリフト調査は「高い」のか?費用の考え方 |

前章では、ブランドリフト調査のメリットと限界を整理しました。
その中で、多くの担当者が抱く疑問が「ブランドリフト調査はコストに見合うのか」という点です。
本章では、ブランドリフト調査が高く感じられる理由と、費用をどのような視点で捉えるべきかを解説します。
ここでは、次の3点を押さえます。
なぜブランドリフト調査は高く感じられるのか
短期ROIで判断してはいけない理由
費用対効果を考える際の視点
これらを理解することで、判断軸が明確になります。
なぜブランドリフト調査は高く感じられやすいのか
ブランドリフト調査は、成果がすぐに売上として見えないため高く感じられやすい調査です。
なぜなら、CPAのように1件あたりの成果単価として即座に比較できないからです。
実際に、ブランドリフト調査ではアンケート配信やサンプル確保が必要となり、一定のコストが発生します。その一方で、調査結果は「認知が何%向上したか」といった中間指標として示されるため、費用対効果を直感的に理解しづらい傾向があります。
この構造が、「高い」「効果が分かりにくい」という印象を生みやすくしている要因です。
短期ROIではなく中長期投資として捉える視点
ブランドリフト調査は、短期的なROIではなく中長期の投資効果を判断するためのものです。
なぜなら、ブランド認知や好意は時間をかけて蓄積され、後のCVや指名検索に影響を与えるからです。
例えば、調査時点ではCVに変化が見られなくても、数か月後に指名検索が増加し、商談化率が改善するケースは少なくありません。こうした変化は、ブランドリフトという中間指標を追っていなければ見落とされがちです。
費用を「今月の成果」で判断するのではなく、「将来の成果を生む土台づくり」として評価することが重要です。
費用対効果を判断するための考え方
ブランドリフト調査の費用対効果は、他の広告指標と組み合わせて判断すべきです。
なぜなら、単体で完結する指標ではなく、広告全体の流れの中で意味を持つからです。
例えば、ブランドリフトの上昇と同時に、指名検索数や商談化率が改善していれば、広告施策は正しい方向に進んでいると判断できます。こうした複数指標の相関を見ることで、調査費用の妥当性を評価できます。
このように、ブランドリフト調査のコストは「高いか安いか」ではなく、「将来の成果につながる判断材料を得られているか」という視点で捉えることが重要です。
ブランディング広告は「効果がない」のではなく「評価されていない」 |

前章では、ブランドリフト調査の費用をどう捉えるべきかを整理しました。
ここで次に向き合うべきなのが、「ブランディング広告は効果が分かりにくい」「意味がないのではないか」という認識です。
本章では、その誤解が生まれる理由と、評価の仕方そのものに課題がある点を解説します。
ポイントは次の3つです。
短期指標のみで評価することのリスク
ブランドリフトを見ずに判断してしまう構造
成果が出る企業と出ない企業の違い
短期指標だけで広告を評価することのリスク
ブランディング広告が否定されやすい最大の理由は、短期指標のみで評価されている点にあります。なぜなら、ブランディング広告の役割は、即時のCV獲得ではなく、将来の選択肢に入る状態をつくることだからです。
実際に、CPAやROASだけで広告を評価すると、認知や好意が高まっていても「成果が出ていない」と判断されてしまいます。その結果、本来必要な認知施策が早期に打ち切られるケースも少なくありません。
短期指標は重要ですが、それだけで広告全体を評価すると、長期的な成果機会を自ら狭めてしまうリスクがあります。
ブランドリフトを見ずに判断してしまう企業の共通点
ブランドリフトを見ずに広告を判断してしまう企業には、共通した傾向があります。
なぜなら、広告の役割を「獲得」に限定して捉えているケースが多いからです。
例えば、広告の目的設定が曖昧なまま、すべての施策を同じKPIで管理している企業では、認知広告も獲得広告と同列に評価されがちです。この状態では、ブランディング広告の価値を正しく測ることができません。
広告の種類ごとに果たす役割が異なることを理解し、それに応じた評価指標を設定しなければ、ブランディング広告は「効果がないもの」と誤解され続けます。
広告成果が出る企業と出ない企業の分岐点
広告成果が安定して出る企業と出ない企業の分岐点は、評価軸を使い分けられているかどうかです。
なぜなら、成果を出している企業ほど、短期と中長期の指標を意図的に分けて設計しているからです。
例えば、認知フェーズではブランドリフト、獲得フェーズではCPAやCVRといったように、段階ごとにKPIを切り分けています。これにより、広告全体の役割が明確になり、施策の継続判断も合理的になります。
ブランディング広告が評価されないのではなく、評価の仕方が整っていないだけ。この視点を持てるかどうかが、成果を左右する重要な分岐点です。
BtoBにおいてブランドリフトが特に重要な理由 |

前章では、ブランディング広告が評価されにくい構造的な理由を整理しました。その中でも、特にブランドリフトの重要性が高いのがBtoB領域です。
本章では、BtoB特有の購買構造を踏まえ、なぜブランドリフトが成果に直結しやすいのかを解説します。ここでは、次の3つの観点から整理します。
検討期間と接触回数の多さ
即時CVしない広告の役割
商談・指名検索への影響
BtoB商材は検討期間が長く、接触回数が多い
BtoB商材においてブランドリフトが重要な理由は、検討期間が長く、情報接触回数が多い点にあります。なぜなら、BtoBでは個人の衝動ではなく、複数人による合理的な意思決定が行われるからです。
実際に、BtoBサービスでは、比較検討から導入までに数か月以上かかるケースも珍しくありません。その過程で、Web広告、記事、資料、口コミなど、複数の接点を経て最終判断に至ります。
このような構造では、初期接触時にブランドとして認知され、信頼の土台を築けているかどうかが、その後の比較フェーズに大きく影響します。
「今すぐCVしない広告」が果たす役割
BtoB広告において、「今すぐCVしない広告」は無意味ではありません。なぜなら、その役割は問い合わせを生むことではなく、選択肢として残り続けることだからです。
例えば、動画広告やディスプレイ広告を通じて企業名や提供価値が記憶に残ると、後日の情報収集時に自然と候補に入りやすくなります。この段階では、CVという形で成果が見えなくても、ブランドリフトは確実に蓄積されています。
短期成果が見えないからといって認知施策を止めてしまうと、将来的な商談機会を自ら減らす結果につながります。
ブランドリフトが商談・指名検索に与える影響
ブランドリフトは、商談数や指名検索の増加と密接に関係しています。
なぜなら、認知や好意が高まったブランドほど、比較検討時に「最初に思い出されやすい」からです。
実際に、指名検索が増えると、検索広告やSEOの獲得効率が改善し、結果としてCPAの低下につながるケースもあります。これは、ブランドリフトが間接的に獲得施策を支えている典型例です。
BtoBにおいては、CVだけを見て広告を判断するのではなく、商談や指名検索につながる前段階の変化を捉えることが、成果最大化の鍵となります。
BtoCにおいてブランドリフトが果たす役割 |

前章ではBtoBにおけるブランドリフトの重要性を整理しました。
一方で、BtoC領域では購買行動の構造が異なるため、ブランドリフトが果たす役割も変わってきます。
本章では、BtoC特有の意思決定プロセスを踏まえながら、BtoBとの違いも交えて解説します。
本章では、次の観点から整理します。
BtoCにおける意思決定の特徴
ブランドリフトが果たす役割
BtoBとBtoCにおける違い
これにより、ブランドリフトの汎用性が明確になります。
BtoCでは「感情」と「第一印象」が意思決定を左右する
BtoCにおいては、感情や第一印象が購買判断に大きく影響します。なぜなら、多くのBtoC商材は「論理的に比較して最適解を選ぶ」というより、「なんとなく良さそう」「信頼できそう」と感じたものが選ばれるからです。
実際に、アパレル、コスメ、飲食、サービス業などでは、価格や機能差以上に、広告で受けた印象や世界観が購買の決め手になるケースが多く見られます。この第一印象は、初回の広告接触時にほぼ形成されます。
そのため、BtoC広告では、購入前に好意や共感を醸成できているかを測るブランドリフトが重要な指標となります。
ブランドリフトは「今すぐ買わない層」への影響を測る指標
BtoCにおけるブランドリフトの価値は、今すぐ購入しなかったユーザーへの影響を把握できる点にあります。なぜなら、BtoC広告では、広告接触者の大半がその場でCVしないからです。
例えば、動画広告やSNS広告を視聴したものの、購入には至らなかったユーザーが、後日検索や再接触を経て購入するケースは少なくありません。この間に蓄積される印象の変化は、通常のCV計測では捉えられません。
ブランドリフト調査を行うことで、購入に至らなかった層に対しても、認知や好意がどの程度形成されたかを確認でき、広告の本当の価値を判断できます。
BtoBとBtoCにおけるブランドリフトの役割の違い
ブランドリフトの重要性は共通していますが、BtoBとBtoCでは果たす役割が異なります。
なぜなら、購買までのプロセスと意思決定の基準が大きく異なるからです。
以下に、両者の違いを整理します。
観点 | BtoB | BtoC |
検討期間 | 長い(数週間〜数か月) | 短い〜中期 |
意思決定者 | 複数人・組織 | 個人 |
判断軸 | 合理性・信頼性 | 感情・印象 |
ブランドリフトの役割 | 検討候補に残り続ける | 第一想起・好意形成 |
効果の表れ方 | 商談・指名検索 | 購入・再購入・LTV |
BtoBでは「比較検討の土俵に上がり続けること」が重要であるのに対し、BtoCでは「最初に思い出される存在になること」が成果を左右します。
この違いを理解せず、同じKPIで広告を評価してしまうと、ブランドリフトの価値は正しく判断できません。
ブランドリフトが中長期の売上を支える点は共通している
BtoB・BtoCいずれにおいても、ブランドリフトは中長期成果を支える基盤です。
なぜなら、ブランドへの信頼や好意は、最終的にCV率やLTVの改善という形で回収されるからです。
短期的なCV数だけで広告を評価するのではなく、ブランドリフトを通じて「選ばれやすい状態を作れているか」を確認することが、持続的な広告成果につながります。
ブランドリフトを前提にした広告KPI設計の考え方 |

ここまでで、ブランドリフトがBtoB・BtoC双方において重要な役割を果たす指標であることを整理してきました。次に重要になるのが、「では、ブランドリフトをどう広告設計に組み込むのか」という実務の視点です。
本章では、ブランドリフトを前提にしたKPI設計の考え方を解説します。
ポイントは次の3つです。
認知広告と獲得広告の役割の違い
同一KPIで評価してはいけない理由
ファネル全体で広告を設計する視点
これらを押さえることで、ブランディング広告が形骸化するのを防げます。
認知広告と獲得広告は役割が異なる
認知広告と獲得広告は、同じ「広告」でも果たす役割がまったく異なります。
なぜなら、認知広告は将来の顧客を増やす役割を担い、獲得広告は今すぐ成果を回収する役割を担うからです。
例えば、動画広告やディスプレイ広告は、ブランド認知や好意形成を目的とした施策であり、直接CVを狙うものではありません。一方、検索広告やリターゲティング広告は、すでに関心を持ったユーザーの行動を後押しします。
この役割の違いを理解せず、すべてをCPAで評価してしまうと、認知広告の価値は正しく判断されません。
同一KPIで評価してはいけない理由
すべての広告施策を同じKPIで評価することは、成果最大化の妨げになります。
なぜなら、フェーズごとに成果の現れ方が異なるからです。
実際に、認知フェーズではブランドリフトやリーチが重要であり、獲得フェーズではCPAやCV数が重要になります。この違いを無視すると、「成果が出ていない広告」を誤って停止してしまう判断につながります。
広告の種類ごとにKPIを分けることは、評価を甘くするためではなく、正しく判断するために不可欠な設計だといえます。
広告全体をファネルで設計するという視点
ブランドリフトを活かすには、広告を単体ではなくファネル全体で設計する視点が必要です。
なぜなら、認知から検討、獲得までの流れは分断できないからです。
例えば、認知広告でブランドリフトが向上し、その後の検索広告やSNS広告でCV率が改善するという流れは珍しくありません。この因果関係を理解していなければ、広告施策を点で評価してしまいます。
ファネル全体でKPIを設計し、それぞれの役割を明確にすることが、ブランドリフトを成果につなげるための前提条件です。
ブランドリフトを活かすために企業が考えるべきこと |

前章では、ブランドリフトを前提にした広告KPI設計の考え方を整理しました。
しかし、指標や設計を理解していても、それを実務で活かせなければ意味がありません。
本章では、ブランドリフトを「測って終わり」にしないために、企業が意識すべきポイントを整理します。本章では、次の3点について解説します。
測定自体が目的化していないか
調査結果をどのように広告改善へ活かすか
広告リテラシーが成果に与える影響
これらを踏まえることで、ブランドリフトを実践的な指標として扱えるようになります。
「測ること」自体が目的になっていないか
ブランドリフト調査は、実施すること自体が目的になってしまうと価値を失います。なぜなら、数値を取得するだけでは、広告成果は何も変わらないからです。
実際に、調査結果を確認しただけで次の施策に反映されていないケースも少なくありません。この場合、ブランドリフトは単なるレポート項目となり、意思決定には活かされません。
重要なのは、「なぜ測るのか」「結果をどう判断するのか」を事前に決めておくことです。測定はあくまで改善のための手段であり、目的ではないという前提を持つ必要があります。
調査結果をどう広告改善に活かすか
ブランドリフト調査の本当の価値は、広告改善に活かしたときに初めて発揮されます。なぜなら、数値は次の打ち手を考えるための材料だからです。
例えば、認知は伸びているが好意度が伸びていない場合、クリエイティブやメッセージの見直しが必要かもしれません。一方で、好意度は高いものの想起が弱い場合は、接触頻度や媒体選定を再検討する余地があります。
このように、指標ごとの変化を読み解き、仮説と改善を繰り返すことで、ブランドリフトは広告成果の最大化に直結します。
広告リテラシーが成果を左右する時代へ
ブランドリフトを正しく活用できるかどうかは、企業の広告リテラシーに大きく左右されます。なぜなら、短期成果と中長期成果を切り分けて判断できる企業ほど、広告投資を継続的に最適化できるからです。
広告を「費用」として捉えるのか、「将来の成果を生む投資」として捉えるのかによって、意思決定は大きく変わります。ブランドリフトを理解し活用できる企業ほど、市場環境が変化しても成果を出し続けやすくなります。
この視点を持つことが、これからの広告運用における重要な分岐点となります。
ブランドリフトという指標が示す本質 |

これまで、ブランドリフトの定義から調査方法、BtoB・BtoCにおける役割、KPI設計や活用の考え方まで整理してきました。
最後に、本記事の締めくくりとして、ブランドリフトという指標が企業にとって何を意味するのか、その本質を整理します。
本章では、次の3点を軸にまとめます。
ブランドリフトが示す本当の価値
短期成果と中長期成果の関係
これからの広告運用に求められる視点
ブランドリフトは広告効果指標ではなく「企業の広告成熟度指標」
ブランドリフトは、単なる広告効果指標ではなく、企業の広告成熟度を測る指標です。
なぜなら、ブランドリフトを重視できているかどうかは、広告を短期視点だけで見ているか、中長期まで含めて設計できているかの差を如実に表すからです。
実際に、ブランドリフトをKPIに組み込めている企業ほど、認知・検討・獲得の役割分担が明確で、広告施策の是非を冷静に判断できます。一方で、CVだけで評価している企業では、広告の価値を狭い範囲でしか捉えられません。
この意味で、ブランドリフトは「広告がうまくいっているか」ではなく、「広告を正しく評価できているか」を示す指標だといえます。
短期成果と中長期成果を両立させるために必要な視点
広告成果を安定して出し続けるには、短期成果と中長期成果を分けて考える視点が不可欠です。なぜなら、短期のCVは中長期の認知や好意の蓄積の上に成り立っているからです。
短期成果だけを追い続けると、いずれ獲得効率は頭打ちになります。一方で、ブランドリフトを通じて認知・好意を積み上げていれば、CV率や指名検索、LTVといった指標が後から改善していきます。
この両輪を意識した広告設計こそが、広告費高騰時代においても成果を維持するための現実的な戦略です。
これからの広告運用に求められる考え方
これからの広告運用では、「測れるものだけを見る姿勢」からの脱却が求められます。なぜなら、数値として見えやすい指標だけを追っている限り、広告の本質的な価値を見誤る可能性が高いからです。
ブランドリフトは、目先の成果を保証する指標ではありません。
しかし、将来の成果につながる状態をつくれているかを判断するための、極めて重要な判断材料です。
広告を単なるコストではなく、企業成長のための投資として捉え、ブランドリフトを含めた評価軸を持つこと。その姿勢こそが、これからの広告運用における競争力の源泉となります。
まとめ |

ブランドリフトとは、広告が「将来選ばれる状態をつくれているか」を判断するための重要な指標です。CPAやROASといった短期指標だけでは、認知や好意といった中間成果は評価できません。
ブランドリフトを活用することで、ブランディング広告の役割を正しく捉えることが可能になります。
広告費高騰や競争激化が進む今、「測りやすい指標だけで広告を判断していないか」「本来評価すべき価値を見落としていないか」を一度立ち止まって見直すことが重要です。
もし、自社の広告評価やKPI設計に少しでも違和感がある場合は、ブランドリフトを前提にした広告設計ができているかを整理するところから始めてみてください。
また、貴社の目標を最短で達成するために必要な戦略については株式会社ビーステップへご相談ください。
ビーステップは、Webマーケティングにおいて効果的な戦略を熟知しており、貴社の商材や目的に合わせた収益向上に直結する広告施策をご提案いたします。
ご支援内容は、ご提案にご納得いただいた上で実施されるため、安心して依頼いただけます。
さらに、ご支援範囲も設計から運用までワンストップで対応可能なので、業務が忙しくて手が回らない方でも、安心してご利用いただける点も魅力です。
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